
登録されている現象コード: 840
オブジェクトクラス:ニュートラライズド推定
※RPC-840が人類にとって有効な脅威であるかどうかは不明です。より多くの情報が表示されると、再分類が行われます。
危険の種類:環境災害/地球外要因による災害/グループ化災害/バイオハザード
収容プロトコル
RPC-991の使用は、RPC-840全体の研究に非常に役立つことが証明されています。正確な数字と日付が発見され、RPC-991の助けを借りて証明されました。
RPC-840に割り当てられた研究者は、RPC-991を使用して研究を行うことが推奨されます。
RPC-840の異常な特性は当局の設立前に停止していたと考えられます。そのため現時点においては収容手順は存在しません。

説明
コードRPC-840は、金星の惑星にある複数の異常な出来事と実体について割り当てられました。
これらの異常には独自の枝番号が指定されており、RPC-840-1は、約6500万年前に金星に存在し、滅びた文明に割り当てられた指定です。このRPC-840-1は人間に似た技術的に進歩した文明であった証拠が残されています。しかし、それらは人間の種から完全に分離されていると推定されます。
※RPC-840-1は現代の人間と多くの類似した特性を示しますが、それらが人間の種の起源、または地球上の人間であることは証明されていません。
RPC-991の使用で破滅以前のRPC-840-1の航空写真を確認、これにより元々金星には生命が存在していたことが示されました。また地球に非常によく似ています。

RPC-840-2は、約6500万年前に金星で発生した黙示録的なイベントです。2つのRPC-840-1標本を除くすべての標本は、この2年の間に消滅しました。これら2つのRPC-840-1標本には、他のRPC-840-1標本によってアダムとイブという名前が付けられています。これらRPC-840-1の2つのインスタンスは、RPC-840-1全体として非常に重要であると考えられていました。
※情報は、キリスト教の聖書の初期バージョンの文書、及び金星の破壊された住宅と技術の残骸によって証明されています。
RPC-840-3は、チクシュルーブ小惑星に与えられた名称です。
※チクシュルーブ小惑星は、約6500万年前の地球上の絶滅イベントの原因となった惑星であり、その時はすべての恐竜の生命を一掃しました。
RPC-840-1のメンバーであるアダム(RPC-840-6)とイブ(RPC-840-7)は、地球に衝突したRPC-840-3に乗っていたため、惑星地球に最初に生息した最初の人間としてキリスト教バイブルに記録されています。しかし、状況の不確実性及びバイブルの妥当性から鑑みて、アダムとイブが本当に人間の起源であるかどうかは不明です。RPC-840-1構成員2名は聖書に記述されているものの、実際には地球上に存在する最初の人間ではないと広く考えられています。ただ聖書における創世記の出来事は、複雑な生命体を作成できる技術を備えた地球外の存在がいたことを示唆してもいます。

RPC-840-4は、RPC-840-1の大量絶滅の原因となっています。RPC-840-4は、未知の生命体の残骸で完全に構築された大聖堂に似ています。
RPC-840-4は金星に着陸し、即時に約4000ものRPC-840-1標本が犠牲となる事故を引き起こしました。約30分後、RPC-840-4は識別できない組成のガスを放出。このガスはRPC-840-1に対して毒性があり、12日間で約85000人の死傷者が記録されることとなりました。生成されたRPC-840-4ガスは、RPC-840-1の人々に対して細菌感染を引き起こしているように見えました。
※RPC-840-4によって作成された細菌感染はRPC-840-5と指定されています。
RPC-840-5は、RPC-840-4によって作成される非常に致命的な細菌感染症です。RPC-840-5は、病変した身体部分に巨大な胞子が生成されることを除けば、現代の真菌感染症と同様に症状が進行します。これらの胞子は、無生物に付着したり、無生物から広がったりすることもあり、金星の地面の広い領域を覆っていることが確認されています。RPC-840-5胞子に接触するとすぐに皮膚に広がり、その後、身体の心筋へ移動し始めます。これはRPC-840-5には何らかの知覚力があることを示唆しています。

RPC-840-8およびRPC-840-9は、火工品のマスクに似た2つの異常な像です。RPC-840-8と-9は、RPC-840-4が惑星に着陸してから約2時間後に金星に現れました。RPC-840-8は、薄暗く照らされた戸口のような形態をしており、その中央には「顔」が見えます。RPC-840-8の約3メートル以内に近づく生物は、RPC-840-8の近くに引き寄せられ、その実体の捕縛から逃れることはできません。扉の内側に入ると、RPC-840-8は獲物を食い尽くします。

RPC-840-9Aは、それが地面に浮かぶという事実を除き、RPC-840-8と同様の外観を取ります。RPC-840-9Aは「RPC-840-9B」と指定される、それよりはるかに小型である正体不明の人型実体によって動かされています。1本のロープがRPC-840-9Aおよび-9Bの間に接続されています。RPC-840-9Aと-9Bは敵意の兆候を示さず、主に金星の荒れ地を彷徨いながら時間を過ごします。
RPC-840-9Bはうつ病の極端な兆候を示しており、抑えきれずに泣き叫ぶ様子が観察されています。人型実体は心的外傷後ストレス障害の深刻な兆候を示し、未知の言語で絶えず声を発しています。RPC-840-9BがRPC-840-9Aと一緒に作成されたか、または最初に金星に出現した後、実体に接続されたかどうかは不明です。黙示録的なイベントの後には、RPC-840-9Aや-9Bなどのような多くの異常実体が金星に住んでいた可能性がありますが、この主張を裏付ける証拠は出ていません。

補遺840-A:RPC-840-4の追加写真
このドキュメントには画像が含まれています。
RPC-840-4の追加写真は、NASAのドローン、ノースロップX-13およびRPC-991によって撮影されました。写真はNASAから当局に提供されました。
※ノースロップX-13は2023年に製造されました。もともとは、金星の風景の写真を取得するために行われた機密ミッションのためのもので、NASAによって金星に生息する複数の異常なイベントと実体に関する研究を行うために、機関に貸し出されています。

補遺840-B
以下は、MST Uniform-1(「神の目を通して」)によって金星の表面に見つかった文章の大まかな翻訳です。文章は未知の著者によって書かれており、アダムとイブに向けられているもののようです。
《記録開始》
我が愛するアダム、もしお前がこれを読んでいるなら、わたしはもういなくなっているはずだ。
あまりにも長い間、我らは争ってきたが、再び新たな戦い始める時が来た。
お前は宮殿センターに行かなければならない、バクテリアがお前に広がる前にそこに着かなければならない。
船に乗ること、それが私たちが持っている唯一の選択だ。それはお前とイブのために作られた。
お前はイブを見つけなければならない、我らは最初からやり直さなければならない。
遠い惑星に行くこと。それは素晴らしいことなのだよ、我が愛するアダム。
人生をリセットし、新たに始めることができるのだから。
大聖堂については誰にも話してはいけない。感染についても誰にも話してはいけない。
誰にも破壊を見てほしくないし、感染の恐ろしい運命に苦しむ必要もない。
私はお前を愛している。私は、お前を愛している。彼らは何百万年もの間、本の中でお前を覚えているだろう。
お前は前に推し進まなければならない。
愛するアダム、お前は新しい創世記を始めなければならない。そして新しい命をもたらすのだ。
ここに戻ってはいけない。これがお前の運命なのだ。
さらば、息子よ。
《記録終了》
探査ログ840-C
以下は、MST Uniform-1(「God’s Eyes」を使用)によって実行された、破壊後のRPC-840-1文明の探索ログです。探索では他のRPCオブジェクトを使用して、超長距離からMSTとの通信を可能にする異常な長距離無線通信システムを確立しました。他のRPCオブジェクトの研究を行うためにこのアノーマラス技術を利用する許可については現在のところ保留中です。
日付: 2027年10月3 日
チームメンバー:ルーク隊長、フォックストロット副官、カデットウォレス士官候補
《記録開始》
ヤシュ研究員:金星に着いたのですか?
ルーク隊長:肯定。
ヤシュ研究員:840-4がどこかにあるはずです、司令はその計画を正しく覚えていますよね?
ルーク隊長:骨でできた巨大な教会に俺たちを連れて行きたいんだろ?
ヤシュ研究員:ええ、その地域を探索してください。8か9が周辺のどこかにあるはずです。
カデット・ウォレス:ルーク、何か見えました。しかし、写真とは違うようです。もっと詳細を見ますか?
ルーク隊長:待て、ちょっと見せてくれ。
フォックストロット副官:なんてこった、あれは950だと思う。
※RPC-950は、RPC-840-8および-9とともにRPC-840-4によって作成されたと推定されます。RPC-950の作成に関する研究が現在進行中です
ヤシュ研究員:近づきすぎないでください。計画が最優先です。
ルーク隊長:それが地獄であれなんであれ、もう教会にほとんど近づいている。
ルーク隊長:待て、これは何だ?
ルーク隊長:瓦礫の山の中に本があるぞ……英語だ!
ルーク隊長は補遺840-Bにリストされている本の碑文を読み上げる。
ルーク隊長:なんてこった。
約10分経過。
ヤシュ研究員:近くに入り口はありますか?
ルーク隊長:ああ、巨大な出入り口がある。
ヤシュ研究員:戸口? 顔がありますか?
ルーク隊長:ネガティブ、先生。これは間違いなく840-4だ。
ヤシュ研究員:中に入ってみてください。この時点で、細菌は数千年間休眠状態にあることは確かです、あなたとチームは問題なく進入できるはず。
ルーク隊長:それはそうなんだろうが、どうやって出るかについては大丈夫なんだろうな?
応答なし。
ルーク隊長:よし入るぞ。
ルーク隊長はフォックストロットとウォレスと共にRPC-840-4に入る。
フォックストロット副官:隊長、見てください。
ルーク隊長:こりゃ一体何だ? 部屋には十数個のドアがある。ドアに続くすべての道から強い風が吹いて……クソッ、天井にもドアがあるぞ!
ルーク隊長:クソッタレ! 壁に顔があって……たぶん……生きていると思う。
ヤシュ研究員:私たちは、840-4の内部を探ったことはありません。そこにあるものはすべてドキュメントに記録する必要があります。私たちの提供した機器はまだありますか?
ルーク隊長:ネガティブ。ここについて3日目に無くしちまった。どうしてそうなっちまったのかわからないが、無くなってたんだ。だからこのひどい場所の写真を撮ることはできないが、それが良いことなのか悪いことなのかは、俺にはわからない。
フォックストロット副官:叫び声が聞こえますか? クソ! いまいましい連中がここにいるみたいです。
ルーク隊長:壁のこれは何だ? 落書きか?
ヤシュ研究員:説明してください。
ルーク隊長:全部、気色の悪いシンボルとクソだ、まったく理解できん。
ルーク隊長:誰かが間違いなくここにいた。こいつらがこの地球上のすべての人を殺したのだと? まあ、こんな場所に住んでいるファッキン野郎どもが人間でないことだけは確かだな。
カデット・ウォレスが叫ぶ。
カデット・ウォレス:一体何なんだ? 刺された!
ルーク隊長:大丈夫か?
カデット・ウォレス:わかりません! 何かが私を攻撃しました!
短い沈黙。
カデット・ウォレス:ああ。
フォックストロット副官:船に戻りましょう! ここに長くいるのは危険です。
低音の叫び声。
ルーク隊長:クソッ!
ヤシュ研究員:どうしました? 何があったんです?
ルーク隊長:やつが何であれ、俺たちがここにいることを望んでないみたいだ!
ルーク隊長:なんてこった! やつらが追いかけてくる!
通信は約13秒間停止。
ヤシュ研究員:ルーク? ウォレス? そこにいますか?!
ルーク隊長:ああ。
ルーク隊長:……なくなった。
ルーク隊長:船が……
《記録終了》
博士のメモ
異常性を研究してきたこの30年以上の間、私は神の存在を3回ほぼ証明しました。この研究を延期するつもりはありませんが、MSTメンバーが金星に送られないよう強く進言します。彼らの家族に対して何をどう話せばいいのでしょうか?
—ヤシュ研究員