TYT-096 派犬社員

管理番号： TYT-096
妖異通称： 派犬社員
危険レベル： レベル0
遭遇しても特に問題はありません。物品や事象の場合、接触しても問題が発生する可能性は低いでしょう。とはいえ、対象と積極的な関わり合いを持つことは避けるべきです。
対応状況： 特になし

外観

引用元：犬材派遣会社ドソナのパンフレットより

関連事件

● 派犬制度反対デモ
人外登用に反対する人々が全国各地で散発的にデモを行っています。中には過激な者が事件を起こしたり、反社会組織との連携が疑われる事例もあり、いくつかのデモ主催者・組織が帝国公安調査庁による監視対象となっています。

広域情報

● 現在は国家戦略特区制度により帝都及び埼玉県のみ派犬制度が認められています。 

ポイント

帝国戦略特区制度によって、平成２８年度から帝都及び埼玉県にて派犬制度がスタートしました。 帝国戦略特区 は、“世界で一番ビジネスをしやすい環境”を作ることを目的に、地域や分野を限定することで、大胆な規制・制度の緩和や税制面の優遇を行う規制改革制度です。平成25年度に関連する法律が制定され、平成26年5月に最初の区域が指定されました。

今回の特区は、帝国における長期デフレ経済からの脱却に取り組む中で以前から問題となっていた、各産業分野における深刻な人材不足に対応するための一環として制定されました。以前から、帝都オリンピックに向けて建設・土木業界の需要が高まっていたのにも関わらず、必要な人材を確保することができなかった企業のほとんどが人外の登用を積極的に行うようになっていました。中には妖異として危険性が指摘されているにも関わらず「よく働く上に賃金が安い」ということから、食屍鬼やオーガを裏で働かせていたブラック企業が、いま現在でも、ときおり事件としてニュースや新聞紙面を飾っています。

そうした事態への対応の必要性や人材不足に悩む各業界から人外雇用を求める声が高まってくる中、犬神族に限定した雇用を特区を設けて実験的に行うこととなりました。もともと犬神族は鬼族と並び、古くから帝国とは友好的な種族であったことから、妖異対策基本法の成立時には妖異指定対象から外されています。しかし今回の特区制度による犬神族の学生に対する奨学金支給（生活補助費を含む）や技能犬修生制度による帝国籍の付与といった待遇についてはこれを疑問視する声も多く、 犬神族のみ特別扱いするのは帝国憲法に反するのではないかとの意見が反対派の有識者から提示されています。

経団連や犬財界からは、現在の深刻な人材不足解消のための人外登用については積極的な意見が多く出されています。その一方で、デフレ脱却にあたって人材不足は当然発生する過程であり、本来は臣民労働者の賃金アップと生産性の向上によって対応すべきもので、ここで安易に人外人材を投入してしまうと、賃金アップが行われないばかりではなく、賃金の安い人外との競争が発生することによって現在のデフレ現象がより深刻化してしまう可能性が高いことから、特区制度に反対する声もあがっているようです。

また労働現場において暴走した人外による被害の発生や、犬修制度を悪用した業者による超低賃金労働や、時間外労働で人外権侵害が多発しています。こうした事案が発生する現場の多くが、特に技能を必要としない低賃金の単純作業が多いことから、今回の特区制度ではこうした問題の発生を回避するため、特別な技能を持った犬神族に限定するようになりました。 しかし今回の特区制度の導入によって、多大な利益を得ることになる犬遣業界の最大手ドソナグループの藪中会長が民間議員として政策に関わっていることも、反対派からは大きく問題視されています。

また新しい職場における犬神族との関わり についても様々なトラブルが発生しているようです。 その中でも特に多く発生しているのが『ケモハラ問題』です。
よくある事例が、犬好きの上司が犬神族の部下を褒める際、 『おーよしよし、よくできまちたねぇ～、えらいえらい』といいながら、犬神族スタッフのお腹やしっぽの付け根をなでなでするというセクハラ事案です。当の上司本人にはまったく悪気はない場合がほとんどで、訴訟を起こされた段となって初めて事の深刻さを理解するということが多いようです。

また近年になって大きな社会現象となってきた『LGBTK』運動の隆盛によって、雇用にあたってケモノ族であることを理由に採用を見送ることがポリティカルコレクトネスに触れることから、人外の中でも友好的かつ優秀な犬神族を積極的に採用しようとする企業も増えてきました。

逆に、ケモノ系人外であることを理由に採用を断った企業の人事担当者が、謎の覆面レスラーに街中でプロレス技を仕掛けられるといった暴行事件も多発しています。

対応詳細

帝国妖異対策局では特に対応はとっていません。あまり関わりたくありません。

懸賞金

犬賞金は懸けられていません。